眠いい映画「暁に祈れ」

 

 

 

眠れない時に寝ようとするがあまり、余計に眠れないなんてことはありませんか？

 

随分前の記事ですが、日本メンタルアップ支援機構 代表理事 の 大野萌子さんがこんなことを書かれていました。

 

睡眠の時間や質を保っていくことは、確かに健康に不可欠だと思います。ただ、睡眠負債を作らないように「何としてでも眠らなければ」、という強迫観念を抱くことは、心に大きな負担をかけます。病気のリスクを心配して睡眠負債をためないように努力した結果、精神を病んでしまったら元も子もありません。

 

では、無理に「寝よう」することはどこが問題なのでしょうか。人は、副交感神経が優位になることで、眠りに入っていきます。一方、「寝よう、寝よう」と思うほど、緊張感が高まり交感神経が優位になり、眠りにつく状態からは遠ざかっていきます。

 

（中略）

 

では、眠れぬ夜にはどうするのが適当なのでしょうか。私は、研修の受講者やクライアントに対して「眠れなくて苦しいなら、部屋を明るくして思い切って起きてしまいましょう」とお話しています。

 

眠れない夜に｢とりあえず横になる｣は危険だ ｢一流の睡眠｣時代に深まる眠れない人の苦悩 | 自衛隊員も学ぶ！メンタルチューニング - 東洋経済オンラインより 

 

なるほど確かに、眠ることにストイックになりすぎて日々の生活に支障が出たら本末転倒。

 

眠れない時は思い切って眠ることを諦めて映画を観よう！

 

ということで、眠りにいい映画を紹介。

 

眠りにいいといっても、ただ私が観た映画を紹介するだけになりますので、必ずしもこれを観たら眠れるよ、という訳ではございませんのであしからず。。。

 

 

 

新潟でも上映していたのかな？映画館で観れなかったのでずっとamazon videoでのレンタル待ちしてました。

 

『暁に祈れ』は原題『A Prayer Before Dawn』、直訳すると夜明け前に祈れですかね。

 

これは「夜明け前」を「暁」にした日本タイトルが非常によくできていて、暁という日本語には、「これを達成した暁には。。。」とか何かを実現するということを表現する意味合いがあって、映画のストーリーに非常にマッチしています。

 

主人公が何を実現するのかは、映画を実際に観ていただくとして、繰り返し繰り返し挫折し、本当にどん底を味わったところから這い上がるという男ならば観るべき映画の一つです。

 

この主人公は薬物中毒のイギリス人ボクサーで、恐らくドラッグから抜け出し人生のやり直しを賭けてタイにやってきたと思われるんですね。

 

しかし、結局自分の弱さから薬物をやめられずタイ警察に捕まってしまう。

 

そして地獄のような刑務所生活が始まるのですが、ただでさえその生活の様子の厳しさが表現されているのですが、この映画の凄いところは、その刑務所生活を私たち視聴者にリアルに体験させる仕掛けがあるところ。

 

カメラワークがその映像体験を後押ししてくれていて、かなり主人公に近いところで撮影しているんですね。

 

ほとんどの映像は主人公のアップ。

 

これが、主人公の視線にもなっているし、そしてその表情から厳しくて辛い心理状況も読み取れる。

 

そして囚人たちは実際に囚人だった人たちを起用していたりするんですが、これがまた見るからに極悪非道なんだろうと伺える様相なんですね。

 

しかも、相部屋に30人くらい押し詰めにされているので、眠る時も隣の囚人同士の肌と肌がぶつかり合っているという状況。

 

今まで観てきた映画の中でもトップレベルの「こんなところで寝たくない」シチュエーションです。

 

その中で日々起こる事件やトラブルの内容ときたら。。。

 

その中で、自分に諦めかけた主人公が、刑務所内のムエタイチームの練習を見て、そのチームに入ろうとする。

 

そして、練習を重ねている中でも挫折を繰り返し這い上がっていく訳ですが、そのラストの感動ったらもう泣けてくるというよりも魂に突き刺さる、非常によくできたラストシーンです。

 

眠れないから映画をこの見始めた人は、見終わってからも眠れなくなるかもしれません。

 

それくらいハートにガツンと何かが残るシーンの連続です。

 

厳しいシーンも多いので、心して観ることをお勧めします。